こんにちは。
光の速度を超えるには無限大のエネルギーが必要であり、有限であるこの宇宙空間の中で光速を超えることは不可能とされています。
そこで今回は、以下のような疑問を持つ方に向けて、ワープ航行は理論上可能なのかや、ワープ航行が不可能だと言われる理由などを紹介していきます。
ワープ航行の実現を夢見ている方や、この広大な宇宙をいつか旅してみたいと思っている方は必見です。
- ワープ航行は理論上可能なのか知りたい
- ワープ航行は不可能だと言われる理由を知りたい
- ワープ航行の実現可能性を知りたい
- 光より速いものを知りたい
- ワープの具体的な方法を知りたい

惑星間航行にはワープ航行の実現が必須だと思います!
■ ワープは理論上可能?可能性は意外とある?

ワープ航法(ワープドライブ)は、理論上は可能であると考えられていますが、現在の科学技術では不可能とされています。
ワープ航行として最も有名なのが、理論物理学者ミゲル・アルクビエレが1994年に発表した「アルクビエレ・ドライブ」理論です。
アルクビエレ・ドライブとは、時空の中で光の速度以下でしか進めないのであれば、時空そのものを歪ませることで、実質的に光速以上で進むことができるのではないかという発想のこと
これはアインシュタインの一般相対性理論の枠内で考案されたもので、宇宙空間そのものを収縮・膨張させることで、宇宙船が光より速く目的地に到達できるというアイデアです。
ただし、このワープには「負のエネルギー密度」など、現代物理学では観測されたことのない物質が必要とされており、あくまで理論上の話にとどまっています。
そのため現時点では、ワープ航法は実現していません。
宇宙でのワープ移動には、通常の推進方式では到達できないような遠距離を短時間で移動することが求められます。
アルクビエレ理論が示す通り、時空そのものを操作できれば可能ですが、エネルギー問題や未知の物質が必要なことから、現代の技術では不可能です。
しかし、NASAをはじめとする一部の研究機関では、理論的な研究が続けられており、将来的なブレイクスルーが期待されています。
■ ワープ航法は不可能なのか?【不可能と言われる理由】
ワープ航行が難しいとされる主な要因として、
- ✅負の質量を持つ物質の存在
- ✅莫大なエネルギーが必要
といった問題が挙げられます。
現在の科学では、ワープ航法を実現するために必要な「負の質量」や「負のエネルギー」といった物質が確認されていません。
また、仮にこれらを生成できたとしても、莫大なエネルギーが必要になるとされています。
そのため、「技術的にはまだ不可能」というのが正確な表現です。
ただし、「理論的には否定されていない」ことから、不可能と断言するのも早計です。
そもそもワープ航行の前提となっている一般相対性理論も、量子力学とは相容れないことからいずれは他の理論に置き換わると考えている科学者も多いです。
■ ワープ航法の実現可能性は意外に高い?

ワープ航法の研究はフィクションの世界にとどまらず、近年では現実的な議論が進んでいます。
たとえば、NASAの物理学者ハロルド・ホワイト博士は、従来のワープ理論に修正を加えることで、必要なエネルギー量を格段に減らせる可能性があると発表しました。
この理論では、宇宙船自体は動かずに、時空が膨張・収縮する“バブル”の中に包まれる形で移動します。これが実現すれば、恒星間移動が数年ではなく、数週間や数日で可能になるかもしれません。
また、CERNの実験で反物質も重力に従うことが確認され、従来のワープ理論に必要とされた「負のエネルギー物質」の存在が疑問視されました。
しかし、アラバマ大学のジャレド・フックス氏らの研究チームは、通常の物質だけで時空を変形させる新しいワープ理論を提案。
エネルギー条件もすべて満たしており、従来のアルクビエレ・ドライブとは異なるアプローチです。
ただし、このワープを実現するには太陽以上の質量が必要で、まだ光速を超える移動には至っていません。
それでも研究者たちは、「恒星間航行の第一歩」として希望を語っています。

2021年にも、レンツ氏が「ソリトン構造」を使った同様の理論を発表しており、今後の進展が期待されています。
■ 光より速いものを3つ紹介【惑星間航行に使える?】

ワープができないとなると、光よりも速い速度で移動しなければ、惑星間航行は非常に時間を用してしまうため難しい可能性が高いでしょう。
しかし、相対性理論では光速が宇宙の限界速度とされ、物質や情報はそれを超えられないと考えられています。ただし、理論や観測から光速超えを示唆する例もあります。
理論的に「光速より速い」とされる現象や仮説はいくつかありますが、あくまで一般相対性理論を破らない範囲での議論です。
- ✅①ワープバブル(アルクビエレ・ドライブ):時空自体の変形により、光速を超えるように見える移動が可能。
- ✅②量子もつれ(エンタングルメント):離れた粒子が瞬時に影響し合う現象。ただし情報伝達には使えない。
- ✅③タキオン(仮説上の粒子):光速より速く移動する理論上の粒子。ただし実在は確認されていない。
- ✅④宇宙の膨張:宇宙の膨張速度は約67.4キロメートル毎秒毎メガパーセク(km/s/Mpc)で光速を超えるとされています。
これらは「物体が光速を超えて移動する」のではなく、「光速を超える現象・光速を超えるように見える」「物理法則を破らない」ことが重要なポイントです。
たとえば、ニュートリノが一時的に光速を超えたとされた観測や、タキオンという仮説上の粒子、宇宙の膨張による遠方銀河の光速超えなどが挙げられます。
また、チェレンコフ光は媒質中の光速を超える粒子が出す現象ですが、真空中の光速は超えていません。
つまり、光速を超える現象はあるものの、いずれも相対性理論に反するわけではなく、現実に光速を超える物質は確認されていません。
■ ワープする具体的な方法とは?

ワープするためには、まず理論に基づいた「ワープバブル」を作り出す必要があります。
アルクビエレ理論によれば、宇宙船の前方の時空を収縮させ、後方の時空を膨張させることで、バブル内の宇宙船は外部から見ると光速を超える速度で移動するように見えます。
具体的な航行方法は先ほども言ったように、宇宙船自体は動かずに前後の時空が膨張・収縮する“バブル”の中に包まれる形で移動します。
このためには「負のエネルギー密度を持つ物質(エキゾチックマター)」を用いたエネルギーフィールドの制御が必要です。
これはまだ理論段階であり、実用化には量子重力理論や高エネルギー物理の進展が不可欠です。
こちらの動画でも詳しく解説されています↓
まとめ
今回は、宇宙の移動手段としてワープ航行が理論上可能なのかやワープ航行が不可能だと言われる理由、ワープ航行の実現可能性などについて分かりやすく解説しました。
ワープ航行が可能になれば、恒星間航行の最大の問題点であった距離の問題が完全に解決され、多惑星種への道が大きく開かれることになるでしょう。
そして宇宙のどこへでもすぐにいくことができれば土地の問題も解決されますし、知的生命体との接触も期待できるようになるので非常に夢が広がりますね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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