宇宙の温度はなぜ低い?宇宙が寒い理由を解説

こんにちは。

ここでは、以下のような疑問を持つ方に向けて、宇宙はなぜ寒いのか宇宙の温度などについて詳しく紹介していきます。

これから宇宙に行こうと思っている方はぜひ参考にしていってください(笑)

こんな人に見て欲しい
  • 宇宙はなぜ寒いのか知りたい
  • 宇宙の温度が知りたい
  • 宇宙空間に生身で出たらどうなるのか知りたい
  • 宇宙の温度ランキングや温度変化を知りたい
andromeda
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地球は最近すごい暑いけど、宇宙ではどうなのか?

宇宙はなぜ寒いのか?

宇宙が寒いのは、真空状態のため熱を伝える物質がほとんど存在せず、熱の移動が起こりにくいからです

また、熱は放射によって伝わりはしますが、宇宙の広大さの前では希薄となってしまいます。

ビッグバン理論によると、宇宙誕生初期は非常に高温でしたが、宇宙の膨張とともに冷却されていったと考えられています

私たちの身の回りでは、空気が熱を運ぶことで「暖かさ」や「冷たさ」を感じます。

しかし宇宙空間は真空に近く、分子の密度が非常に低いため、熱の伝導や対流がほとんど起きません。

そのため、太陽の光が直接当たらない場所では、物体の温度はすぐに下がり、極寒の環境になります。

太陽光が当たる場所は高温になりますが、それ以外の場所は極端に冷え込みます。

熱は主に太陽からの輻射によって伝わり、宇宙空間では対流は起きません。

宇宙全体の平均温度は約-270℃と非常に低く、宇宙服はこの極端な環境から宇宙飛行士を保護するために設計されています。

対流と輻射は、熱の伝わり方の2つの異なる方式で、対流は、流体(気体や液体)が移動することで熱を伝える現象で、一方、輻射は、電磁波(赤外線など)を介して熱が伝わる現象です。

宇宙の温度と太陽の関係は?

太陽は宇宙で最も身近な熱源ですが、その熱が直接宇宙空間を温めるわけではありません。

宇宙全体の平均温度は約-270℃と非常に低いですが、太陽の中心は約1600万℃、表面は約6000℃という高温です。

宇宙の温度は太陽光の影響を強く受け、日向では約120〜250℃、日陰では-150〜-250℃と大きな差があります。

宇宙では熱を伝える空気がないため、太陽光が当たる面は太陽からの熱を直接受けるため高温になりますが、影になった場所や、太陽光が当たらない場所は非常に低温になります

人工衛星はこの極端な温度差に対応するため、構造や素材が工夫されています。

宇宙には空気がないため、熱は「放射」によってしか伝わりません。

太陽からの熱は電磁波(赤外線や可視光線)として宇宙を進み、惑星や人工衛星の表面に当たることで温度が上がります。

宇宙服の内部温度はどう保たれている?

宇宙服は極端な温度変化から宇宙飛行士を守るために高性能な断熱構造を持っています。

宇宙服の内部温度は、活動内容や場所によって大きく異なりますが、一般的に、宇宙服内は快適な温度に保たれるように設計されています

宇宙空間は、太陽光が当たる場所では120℃にも達する一方、日陰では-150℃にもなるため、宇宙服はこれらの極端な温度変化から宇宙飛行士を守る必要があります

宇宙服の外側は耐熱素材で作られており、内部には温度調整のための液体冷却・加温システム(LCVG: Liquid Cooling and Ventilation Garment)が組み込まれています。

これにより、宇宙飛行士の体温は約20℃前後に保たれ、太陽光が直撃する高温環境や陰になる極寒の状況でも快適に活動できます。

宇宙の温度は絶対零度なの?

宇宙は完全な絶対零度(−273.15℃)ではありませんが、それに非常に近い環境です

宇宙全体に満ちている「宇宙背景放射」の温度は約2.7K(ケルビン)、つまり−270.45℃ほど。

これはビッグバンの残光であり、宇宙のどこに行ってもほぼ同じ温度です。

宇宙の平均温度は約2.7ケルビン(約-270.45℃)で、これは絶対零度(約-273.15℃)よりも高い温度です。

宇宙には、まだわずかながら熱エネルギーが存在するため、絶対零度には達していませんが、それに近い温度となっています。

したがって、宇宙空間は理論上の絶対零度に近い最も冷たい環境の一つといえるでしょう。

絶対零度とは、-273.15℃のことで、これは理論上の最低温度であり、物質の原子や分子の運動が完全に停止する状態で

宇宙温度ランキング:宇宙で最も熱い場所と冷たい場所

宇宙は極端な温度差を持つ場所でもあります。

現在観測されている範囲内の宇宙の温度ランキングは以下の通りです。

宇宙の温度ランキング
  • 🥇1位:最も熱い場所:クエーサーの中心部や超新星爆発の内部(数億度〜数十億度。鉄さえ気体になる。)
  • 🥈2位:恒星の中心部(太陽の中心:約1500万℃)
  • 🥉3位:惑星の昼側(例:水星の昼:約430℃)
  • 4位:宇宙ステーションの外側(太陽直撃部:約120℃、陰:約−150℃)
  • 5位:宇宙の平均温度(宇宙背景放射):−270.45℃
  • 6位:最も冷たい場所:ブーメラン星雲(−272℃)

ブーメラン青雲は現在観測された中で、自然界で最も冷たい天体とされています。

宇宙は、地球では想像できないほど極端な温度差をもつ世界で、最も熱いのはクエーサーの中心部や超新星爆発の内部で、数億度から数十億度に達し、金属さえ気体になります

次に高温なのは恒星の中心部で、太陽の中心は約1,500万℃です。

惑星では、水星の昼側が約430℃に達し、国際宇宙ステーションの外側は、太陽光を受けると約120℃、影では−150℃まで変化します。

宇宙全体の平均温度はビッグバンの名残である宇宙背景放射により約−270℃、さらに冷たいブーメラン星雲は約−272℃と絶対零度に迫ります。

宇宙は、数十億度から絶対零度近くまでの温度が共存する、極限の世界なのです。

ブーメラン星雲とは、ケンタウルス座の方向に約5,000光年離れた場所に位置する原始惑星状星雲のことです。

宇宙の温度はどう変化する?どう変化してきた?

宇宙の温度は、場所や時間、太陽光の有無によって大きく変化します。

太陽光が当たる場所では数百℃まで上がる一方、日陰ではマイナス150〜200℃まで下がります

クエーサーなど一部には超高温の領域も存在します。

このような極端な温度変化に対応するため、宇宙服や人工衛星には断熱・反射素材などの工夫が施されています。

また、宇宙は時間の経過とともに温度が下がっていると考えられています。(ビッグフリーズに繋がる考え)

ビッグバン直後、宇宙は高密度・高温の火の玉状態で、数十億度を超えていましたが、宇宙全体の平均温度は、ビッグバン後の膨張により約-270℃まで低下しました。

そこから膨張とともに温度が低下し、数十万年後に光が自由に動けるようになった時点で約3000K(約2700℃)になりました。

現在では、その名残である宇宙背景放射が2.7Kと、非常に低温になっています。

この予想では、今後も宇宙が膨張し続ける限り、この温度はさらに低下していくと考えられています。

宇宙空間に生身で出たらどうなる?【おまけ】

宇宙服なしで宇宙空間に出ると、数十秒で意識を失い、数分で命に関わります。

人間が宇宙空間に投げ出されると、約90秒ほどで窒息してしまいます

これは、肺の中の空気が膨張して宇宙空間へと漏れ出し、呼吸が不可能になるためです。

息を止めれば大丈夫だと思うかもしれませんが、宇宙空間ではそれすらできないのです。

まず、真空状態では体内のガスが膨張し、肺が損傷を受けます。

さらに、体液が沸騰し始め、皮膚の下で膨らみが生じることも。

また、強烈な紫外線や宇宙放射線にさらされるため、細胞は深刻なダメージを受けます。ただし、ハリウッド映画のように即座に爆発したり凍ったりはしません。

致命的ではありますが、一瞬で終わるわけではないのです。

まとめ

今回は、宇宙の温度について気になる方に向けて、宇宙はなぜ寒いのか宇宙の温度などについて詳しく紹介してきました。

宇宙の温度は非常に低く、とても人間が生きていけるような環境ではありません。(そもそも生身では窒息してしまう)

しかし、高性能な宇宙服などを身に付けることによって、宇宙空間でも快適に過ごすことが可能となっています。

これからさらに高性能な宇宙用スーツなどが開発され、厳しい環境でも過ごせるようになって欲しいものですね✨

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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