宇宙のボイドとは?

こんにちは。

今回は、以下のような疑問を持つ方に向けて、宇宙のボイドとは何か、なぜできたのかなど、「宇宙のボイド」について詳しく紹介していきます。

宇宙の大規模構造や宇宙の謎について知りたい方も必見ですよ。

こんな人に見て欲しい
  • 宇宙のボイドとは何か知りたい
  • 宇宙のボイドがどうやってできたのか知りたい
  • 宇宙のボイドの温度が知りたい

宇宙のボイドとは?なぜできた?

宇宙のボイドとは、宇宙空間における「銀河がほとんど存在しない広大な空洞領域」のことです。

宇宙は一様に銀河が分布しているわけではなく、銀河は「宇宙の大規模構造」と呼ばれる網のような構造の中に集まって存在しています。

その一方で、銀河や物質が非常に少ない領域があり、それが「ボイド(Void)」と呼ばれます。

ボイドは直径三千万光年~三億光年以上にも及ぶ広がりを持ち、宇宙の構造を理解するうえで重要な手がかりとなっています。

なぜボイドのような空間ができたのかは今だ完全には解明されていませんが、初期宇宙の密度ゆらぎが原因で形成されたと言われています。

初期宇宙の物質分布にはわずかなむら(密度ゆらぎ)があり、それが重力によって増幅され、高密度の領域と低密度の領域を生み出したと考えられています。(ボイドはこの低密度の領域に相当する)

実は我々がいるこの天の川銀河はボイドの中にあると言われています。

宇宙ボイドは真っ暗?

宇宙ボイドはなぜ真っ暗なのか?それは、銀河や恒星、その他物質が存在しない、あるいは極端に少ないためです。

銀河がないということは、そこに光を放つ星々や星雲も存在しないということを意味します。

また、人間の肉眼で見ることのできる銀河はせいぜい数百万光年以内のものとされており、ボイドの中心からは一番近い銀河でもそれ以上離れているため何も見えないのです。

また、ボイド空間には物質がほぼ存在しておらず、正真正銘の何もない空間であるとされています。

したがって、ボイドの内部は可視光ではほとんど何も観測できず、まるで「真っ暗な宇宙の穴」のように見えるのです。

光の速度で進んでも何億年も真っ暗というのも怖いですよね…笑

ただし、電波や赤外線などを用いると、まれに暗い銀河や中性水素ガスが観測されることもあります。

andromeda
andromeda

ボイドの中を光の速度で進み続けたとしても、リアル5億年ボタンを経験することになります(笑)

宇宙の大規模構造には見てはいけないものがある?

インターネット上では「宇宙の大規模構造には見てはいけないものがある」という都市伝説めいた話が語られることがあります。

これは主に、宇宙ボイドやスーパーボイドなどの巨大で空洞な領域を「不自然」「不気味」と感じる心理に由来しています。

科学的には、大規模構造とはダークマターと重力の作用によって形成されたネットワーク状の構造であり、空洞(ボイド)はその中の自然な一部です。

しかし、その巨大さや暗さが人間の想像を超えるため、「宇宙の穴」や「見てはいけない闇」として語られることがあるのです。

andromeda
andromeda

宇宙の大規模構造を研究してた人が 見てはいけないものを見てしまったと言って亡くなってしまったという都市伝説もあるようです…。

宇宙のボイドの温度は?

宇宙ボイドの温度は、周囲の銀河が密集している領域よりも低いと考えられています。

具体的には、宇宙背景放射の温度である約2.7ケルビン(-270.45℃)にほぼ等しいとされています.

これは、ボイド内では物質が少ないため、エネルギーの移動や星の誕生・爆発といった現象がほとんど起こらないためです。

観測によって、ボイドの中では宇宙背景放射(CMB)の温度がわずかに低下していることが示唆されており、これは「インテグレーテッド・サックス=ウルフ効果」によって説明される場合があります。

つまり、光がボイドを通過する間に重力ポテンシャルの変化を受けてエネルギーが失われることで、温度の低下が観測されるというものです。

スーパーボイドとは?

スーパーボイド(supervoid)とは、通常のボイドよりもさらに巨大な空洞領域のことです。

代表的な例としては、「エリダヌス座スーパーボイド」があります。

これは直径が10億光年以上にもおよぶとされる超巨大ボイドで、宇宙背景放射に見られる「コールドスポット(冷たい斑点)」と関連している可能性が指摘されています。

スーパーボイドは、宇宙初期の物質分布やダークエネルギーの性質を探るうえでも、非常に興味深い天体領域です。

宇宙論における「コールドスポット」とは、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)に見られる異常に冷たく大きな宇宙の一領域のことです。

超空洞ボイドとは?

超空洞ボイド」は、文字通り非常に広大なボイド領域を指す言葉で、しばしば「スーパーボイド」とほぼ同義で使われることもあります

たとえば、先述のエリダヌス座スーパーボイドなどは「超空洞ボイド」と呼ばれることもあります。

これらは宇宙の平均密度に対して非常に低密度で、しかもスケールが100億光年規模に迫るような極端な空間です。

現在の宇宙論モデルでも、その形成メカニズムは完全には解明されておらず、ダークマターやダークエネルギー、インフレーション理論との関連が探られています。

ボイド銀河とは?

ボイド銀河とは、宇宙ボイドの内部または縁に存在する数少ない銀河のことです。

これらの銀河は、密集した銀河団とは異なる環境で進化しているため、独特の性質を持つ場合があります。

例えば、星形成が遅かったり、外部からの相互作用が少なかったりします。

そのため、ボイド銀河は銀河進化の「環境依存性」を調べるための貴重な対象として研究されています。

孤立しているがゆえに、銀河の「素の状態」に近い性質を残していると考えられます。

私達のいる天の川銀河とその隣に位置するアンドロメダ銀河はボイド空間の中にあると言われており、だとすれば天の川銀河とアンドロメダ銀河はどちらもボイド銀河であると言えるでしょう。

まとめ

以上のように、宇宙ボイドスーパーボイドは、宇宙の「空っぽな場所」でありながら、宇宙の構造・進化を理解する鍵を握る重要な存在です。

真っ暗で、温度が低く、銀河がほとんど存在しないこれらの領域は、かえって私たちに宇宙の成り立ちや謎を投げかけてきます。

そして、それゆえに「見てはいけない」と恐れられるような神秘性も併せ持っているのです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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